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うまいタイトルを思いつかなかったのでとりあえず並べてみた


さて、タイトルに書いた「内部留保」だけど、最近TwitterやSNS、ネット上でよく見る単語である え、よく見ない? 細けぇこたぁいいんだよ!

日本の将来の為にこれに関する誤解について少し書きたいと思う

内部留保というものが何であるかは各自ググって欲しい
ざっくりと説明すると、企業が金を儲けて給料や借金の支払いなど全部した後の最後に残った金を積み立てているものと思ってもらえばほぼ間違いはない

最近よく
「企業は内部留保せずに昇給をせよ!」
「金を貯めこんで私腹を肥やすなんて経営者はひどい奴らだ!」
といったニュアンスのことが言われています

これらは全て、間違いです

前者はまだ言いたいとしてることはわかるので後で説明しますが、後者についてはもう、まるっきり100%ただの誤解です
まず、内部留保は会社の金であるため、それをいくら増やした所で会社の役員には一銭も入りません
それどころか、内部留保をしないほうが上層部は私腹を肥やせます
役員報酬にしたり経費で高級車買ったらいいんだからね

内部留保というのは家庭で言う所の貯金のようなものです(厳密には全然ちゃうのですが、まあそこは置いておいてください)が、単なる貯金とは性質が大きく異なります
まず違うのは、現金で置いているわけじゃないということと、いつでも取り出せるわけじゃないということですね
性質の違いは貯金は単なる貯めこみ行為ですが、内部留保はライフラインの確保、つまり命綱のようなものです

具体的に内部留保がないとどうなるか、ですが
会社が潰れます
正確には潰れやすくなります

企業というのは好調な時もあれば不調な時もあります
しかし好調不調にかかわらず、給与というのは毎月発生します
「倒産」はどうやったら起こるのかというと、ざっくりいうとお金が無くなる状態のことを指します
逆にいうとお金があり続ける限り、毎月3000億赤字だろうと倒産はしません
つまり、赤字が続いたり、例えば大地震が起きて営業活動が困難になった時、内部留保がない企業というのは売上0でも発生する経費や人件費を払うことができなくなり、倒産します
しかし内部留保が十分に確保されている企業は数か月、あるいは多いと1年以上内部留保でとりあえず給料だけは払うことができる状態にできます

設備などは後からどうとでもなりますが、人はそうはいきません
雇う金がないからといって払わないと生活ができませんし、辞めてもらうしかなくなります、そして一度辞めてもらうと雇いなおすことはほぼ不可能です(普通は再就職するので)
いざという時、数か月あるいは1年、人を繋ぎ止めることができれば企業は存続できるのです

つまり、内部留保というのは企業が私腹を肥やしている行為ではなく、社員を守るためにしている備えです

一つ勘違いしないで頂きたいのは、だから給料は上がりませんと言っているわけではないということです
内部留保するしないにかかわらず、昇給はあるべきです
今の日本は色々厳しいので、システムが崩壊していて昇給をしてしまうと内部留保に回すお金が無くなるので額が抑えられているだけの話です
(今の日本の法律では”クビ”ということが実質ほぼ不可能になっています、つまり給料が高いだけの老害や無能の首を切れません、しかし終身雇用を基本としているので、一律に昇給するとその一番役に立たない奴の給料を一番上げてしまうことになるので、企業としては生産性が著しく落ちる、首を絞める行為になります)
ちなみに、内部留保を使って給料に回せというのはそもそも内部留保という概念を勘違いしている発想です
内部留保は金庫に現ナマ入れているわけではないのでそもそも給料には回すことが不可能です

内部留保と昇給は、関連性がないわけではないが全く違う概念の話、ということです

内部留保は単なる安全性だけの話ではなく、将来的な設備投資や発展の為にも非常に重要になってきます
そもそも、会計上やB/S、P/Lなどで「内部留保」という単語(や勘定科目)はありません。内部留保は概念的な単語です(MTGに「召喚酔い」というルール文章がないのと同じ)
一般的に言う所の内部留保は企業の資産状況を表すバランスシート上の利益余剰金のことを指します
厳密にはイコールではないのですが、額面の話をする時には基本的には≒だと思ってもらっても結構です
そして、その利益余剰金を積み立てていった繰越利益剰余金を増やしていくことで、自己資本比率というものが上がります
超簡単に言うと「お前の会社のうち、自分達の金の割合いくらや」という割合です
例えば1億円のお金を借りたとします
そのお金で土地を買い、店を立て、商売をします
この状態では自己資本比率が0%です
土地や店や商品すべてを纏めて「総資本」というのですが、これの原資が全て借金によって賄われているからですね
1億円の資本のうち、1億円の借金によって賄われている、自己資本は0
0÷1=0%ということです
商売がうまくいき、3000万円分の借金を返済したとします
会社の状態は前と同じです
この時、自己資本比率は30%です
1億円の資本のうち、7000万分の借金で残りは(現在手元になかったとしても)自分で稼いだ金によって成り立っているからです、つまり自己資本によって経営している割合が30%になったということです
つまり、自分の金で無借金で経営をしている状態は自己資本比率100%ということです

この自己資本比率ですが、銀行との取引で最も重要視される指標となっています
銀行の商売はお金を貸し、利子を払ってもらうことです
そのためにはより継続して儲かる企業にお金を貸すことが何より重要となってきます
この「継続して」と「儲かる」がポイントで、どちらが欠けてもいけません
儲かってない会社というのは赤字ですから、言わずもがな借金が返せません
そして単に儲かっている企業でも、例えばベンチャーのように今月一気に売り上げが100倍になったけど1年後倒産した、とか、そういう乱高下する会社は貸し倒れのリスクがあるので好みません(黒字倒産している企業なんて腐るほどあります)
銀行としては利子分だけ貰えるならばそれで良いのですから、例え僅かであろうとも継続して儲かり続けている会社を最優先で貸し出すのです

そして、その「継続して」「儲かっている」会社の見分け方の一つが、「自己資本比率」です
先ほど無借金経営といいましたが、現実には無借金経営できている企業なんてのはほんの僅かです(そもそも無借金経営が良いのかどうかという議論もあります)恐らく1%もないと思います
ほとんどの企業は銀行との付き合いをしなくてはなりません
銀行側もプロですので、企業の経営状況を見分けることについては日々、心血を注いでいます
先ほど言った通り、潰れる会社に貸し出しては今度はそれを回収できなかった際に銀行が損失を被るからです
自己資本比率が利益余剰金から成り立っているという話は先ほどしました、そしてこの利益余剰金は、意図して増やさないと増えません
理由は色々あるので割愛しますが、「経営者が意図的に増やさないと増えないもの」という所だけ理解して頂ければOKです
そして利益余剰金ですので、当然利益が出なければ貯められません
つまり、自己資本比率が高い企業というのはそれを見ただけで
・「経営者が意図的に自己資本比率を上げようとしている(≒倒産のリスクヘッジをちゃんとしている)」
・「利益が出ている(出続けている)」
ということがそれだけで読み取れるのです
出続けているかどうかは経年のB/Sを見ればわかります

ようするに、自己資本比率を上げると銀行が安心していっぱい貸してくれる、ということです
銀行がいっぱい安心して貸してくれると利率も下げやすくなりますし、条件も軽くなります、また投資したい時にスムーズに投資ができるのでより稼ぎやすい状態を保てます

つまり、内部留保を貯めるということは社員を守る行為であると同時に、企業がより発展するための土台作りでもあります

内部留保をせずに無計画に昇給なんてことを繰り返している企業があったとしても、その一時だけは社員は喜ぶかもしれませんが長期的な視点でみると、常に綱渡りをしている状態であり、また、儲からない体質を作ってしまうことに繋がってしまします

なんだかTwitterや週刊誌あたりの素人が
「内部留保は悪!」みたいなこと言ってますが
現実は逆ですよというお話

いま就職活動中だったり転職を考えている皆さんは中小企業に就職するのならば、まず何より自己資本比率が高い(内部留保をたくさんしている)企業に就職することを強くお勧めします
企業のHPによってはバランスシートや決算書を公開している企業もあります
公開している所はそれだけ決算書に自信があることの裏返しでもあるので大体数値が良いことが多い傾向にあると思います
逆に言うと公開していない所は①公開したくないほどひどい②HPに力を入れていない③その他
です
稀に競合相手に自分の会社の情報を渡したくないから公開してないというような経営者もいますが、ぶっちゃけ決算書見せたくらいでどうのこうのはあり得ないのでただの無能です
逆に公開するメリットは大きいので、それがわかっていて公開していないということは見せなくないほどひどいのかもしれません
まあ単に、上記のことがわかってないだけという可能性もあると思いますが

コメント

ジオン軍
2019年5月3日13:55

あれ?タイトル変わった?

ハリー
2019年5月3日13:57

記事のタイトルのことならちよくちょく変えることは稀によくある

オリヒカ
2019年5月3日13:58

長いので一番大事な所だけ抜粋
>>そもそも、会計上やB/S、P/Lなどで「内部留保」という単語(や勘定科目)はありません。内部留保は概念的な単語です

学問的な定義がない単語だから、人によって使い方がバラバラなんですよね
金庫に貯め込んでる現金だけを指してる人もいれば、設備投資金まで含めて「内部留保が○億円もある!!!」って叫んでる人いてあーもうめちゃくちゃだよ
要するに「内部留保」って単語を使って何かを批判してる人は、経済学のケの字も知らない素人か、知ってて馬鹿を騙そうとしてる詐欺師だけなんだなぁ みつを

ハリー
2019年5月3日14:49

そうですね、設備投資の資金まで内部留保だなんだと騒いでるのは見たことないですが、言っててもおかしくないですね
本当に批判したい人は内部留保なんて曖昧な言葉は使いたがらないので、この単語で何かを訴えようとしている人は仰る通り知らない人か、あえて騙そうとする人かの2択ですね

シャメさん
2019年5月3日15:11

保留=パチンコ?(中毒

ハリー
2019年5月3日15:26

うーん惜しい留保
ちなみにパチンコは投資じゃなくて営業外損失ですぞ

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