ここは都内某所、一見どこにでもある普通の定食屋
「らっしゃっせ~ ご注文どうぞ~」
「ステーキ定食」
ピクッ
「…焼き方は?」
「弱火でじっくり」
「畏まりました~」
「お客様こちらでどうぞ~」
注文をした小太りの男性は店内奥の個室へと通される。
「会員証を拝見いたします」
賑やかな店内とは一転、アルバイトの女の子から引き継いだスーツの男性が個室内で小太りの男性へ、そう語りかける。
「はい、今日はダブルでお願いします」
小太りの男性は一見どこにでもあるプラスチックの無地のカードを取り出し、提示する。
「畏まりました」
しばらくして、定員と思わしきスーツの男性はグラスに注がれた黒色の液体を持ってきた。
「CWでございます」
その一言を発してグラスを置いた後、スーツの男性が部屋戻ってくることはなかった。
小太りの男性はカラカラに乾いた喉を一気に潤したい欲望に駆られたものの、CWと呼ばれた液体を年代物のウィスキーのように大切そうに口に運んでいく。
男性は知っている、ここで料金の支払いはないことを。
飲み終わった後はそのまま帰る、料金は会員サイトを通じで自動的に入金が行われる。
男性は知っている、このCWという液体の正式名称は、コーラのダブルであることを。
事実、現代においてはこのグラスに注がれたコーラ一杯の値段は歌舞伎町のドンペリニョンよりも高額である。
今回の注文だって、1年間必死に金を貯めてようやく自分へのご褒美としてダブルで注文したものなのだ。
大切に飲もう、そう考え三度グラスに口を運ぼうとしたとき、にわかに外が騒がしくなった。
「全員動くな! 警察だ!」
しまった!
そう思った時には既に小太りの男性の小部屋には屈強な警察官が何人も流れ込んでいた。
「炭酸飲料取締役法違反の罪で現行犯逮捕する!!」
「く、くそっ!!」
体を拘束された小太りの男性は誰ともなく悪態をつく。
「俺はただ、コーラが飲みたかっただけなのに!」
「貴様、炭酸飲料に含まれるCO2が地球温暖化の原因になっていると知らぬわけではあるまい! 炭酸飲料は半世紀以上前に世界的に禁止されている!!」
「ああ知っているさ! そう教育されたからな!」
小太りの男性は続ける
「昔、コーラという薬物があったこと、依存性が高く、健康被害を誘発するうえに地球の温暖化を促進するCO2が主原料になっていることも、でも…でも、たまたま友人に貰ったファンタを飲んだ時、世の中にはこんな美味いものがあるものかとわかったんだ!」
「ダメだこいつ…」
「完全に末期の中毒者ですね」
汚いものを見るような目でベテランの警察官と若めの警察官は陰口をたたく。
「うおおおお!! コーラ! コーラアアアア!!!!!」
2121年、CO2の排出を実質0からマイナスへと、炭酸飲料は地球温暖化を促進する悪魔の飲み物として規制する法案が可決してから74年が経とうとしていた…
「らっしゃっせ~ ご注文どうぞ~」
「ステーキ定食」
ピクッ
「…焼き方は?」
「弱火でじっくり」
「畏まりました~」
「お客様こちらでどうぞ~」
注文をした小太りの男性は店内奥の個室へと通される。
「会員証を拝見いたします」
賑やかな店内とは一転、アルバイトの女の子から引き継いだスーツの男性が個室内で小太りの男性へ、そう語りかける。
「はい、今日はダブルでお願いします」
小太りの男性は一見どこにでもあるプラスチックの無地のカードを取り出し、提示する。
「畏まりました」
しばらくして、定員と思わしきスーツの男性はグラスに注がれた黒色の液体を持ってきた。
「CWでございます」
その一言を発してグラスを置いた後、スーツの男性が部屋戻ってくることはなかった。
小太りの男性はカラカラに乾いた喉を一気に潤したい欲望に駆られたものの、CWと呼ばれた液体を年代物のウィスキーのように大切そうに口に運んでいく。
男性は知っている、ここで料金の支払いはないことを。
飲み終わった後はそのまま帰る、料金は会員サイトを通じで自動的に入金が行われる。
男性は知っている、このCWという液体の正式名称は、コーラのダブルであることを。
事実、現代においてはこのグラスに注がれたコーラ一杯の値段は歌舞伎町のドンペリニョンよりも高額である。
今回の注文だって、1年間必死に金を貯めてようやく自分へのご褒美としてダブルで注文したものなのだ。
大切に飲もう、そう考え三度グラスに口を運ぼうとしたとき、にわかに外が騒がしくなった。
「全員動くな! 警察だ!」
しまった!
そう思った時には既に小太りの男性の小部屋には屈強な警察官が何人も流れ込んでいた。
「炭酸飲料取締役法違反の罪で現行犯逮捕する!!」
「く、くそっ!!」
体を拘束された小太りの男性は誰ともなく悪態をつく。
「俺はただ、コーラが飲みたかっただけなのに!」
「貴様、炭酸飲料に含まれるCO2が地球温暖化の原因になっていると知らぬわけではあるまい! 炭酸飲料は半世紀以上前に世界的に禁止されている!!」
「ああ知っているさ! そう教育されたからな!」
小太りの男性は続ける
「昔、コーラという薬物があったこと、依存性が高く、健康被害を誘発するうえに地球の温暖化を促進するCO2が主原料になっていることも、でも…でも、たまたま友人に貰ったファンタを飲んだ時、世の中にはこんな美味いものがあるものかとわかったんだ!」
「ダメだこいつ…」
「完全に末期の中毒者ですね」
汚いものを見るような目でベテランの警察官と若めの警察官は陰口をたたく。
「うおおおお!! コーラ! コーラアアアア!!!!!」
2121年、CO2の排出を実質0からマイナスへと、炭酸飲料は地球温暖化を促進する悪魔の飲み物として規制する法案が可決してから74年が経とうとしていた…
コメント
となるのかと思いました!
>ひ
アメリカでよくある、
相手側をコケにしたペプシvsコカのCM合戦ですかね?
あ、IHヒーターがあるし…
>ドンペリ自体炭酸やしね
>生物
この後、更に50年後に人類の呼吸によるCO2排出を懸念した団体が人類全員に機械化手術を行い、レジスタンスVS機械の軍団の戦いが起こる
これがマトリックス1~3のはじまりである
むかしぃ、ジオグラマトンってエロゲがあってぇ…(エロゲ老人並感)
ダメだとわかっている中出しほど気持ちいい